基本を考える
私が学生時代(高専、大学)のカリキュラムには工場実習があった。今、翻ってみればものづくりの一連の流れを理解するにはとても重要な内容だったと思う。
実際に木型を作り、抜き勾配を実際に学んだ。キュポラでアルミのインゴットを溶解して、砂型で鋳物を吹き、湯の回り方、ガス抜き、引けを実際に体験した。
それを工作機械で加工し、その手法を学んだ。いずれも入り口であり、技術の習得にも至らなかったが、一度経験したことはイメージとして残り、私の奥深くで今の基礎となっているように思う。
整理整頓も当時の実習工場の教官から徹底的に叩き込まれた。津田駒工業から来られた職人さんで、工作機械を使用した後は次に使う人のことを考え清掃することが当たり前と言われた。
測定機器を定盤などの固いところに置くとこっぴどく叱られた。必ず板等の柔らかいところに置くことを学んだ。工具は床においてはいけない。仕舞う前には油が染込んだウエスで拭きなさい、など基本を教えられた。
高度なスキルは基本の下に成り立つ。これはものづくりだけではない。営業、経理、総務も同じだ。社会人としての基本動作を今一度見直して欲しい。
必ず、良い方向に変化をもたらすはずである。
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