長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

今思うこと・・

 弊社の社長に就任し、6年6ヵ月という月日を重ねてきた。翻ってみると社長就任した当時は右も左も何もわからなかった。
 当時、社長も、その片腕だった、高橋専務取締役も、私が社長に就任したと同時に、社長は会長に高橋専務は相談役に退いた。
 私は社長として何を成すべきか細かく教えられた覚えは殆ど無い。最初にやったことは『ここに、はんこを押しなさい』と銀行の約定書に実印を押したことだ。
 とても重要な書類であることはなんとなく理解していたが、最初はその重要性を知る由しもなかった。定型業務は総務、経理の仕組みがしっかり出来上がっていたので、企業としての機能は働いていた。
 したがって社長に就任しても、しばらくは何事も無く動き始めているかのようだった。
 しかし、しばらくすると細かいミスや失念して抜け落ちる事態が目に付き始め、その度に、『こんな重要なことを何故教えてくれないのだろう』と思うことが少なくなかった。
 すなわち、『教えてくれて当然』という考え方は、立場は社長になっていたが、気持ちは『あまあま』の常務取締役のままだった。
 社長になるということは当たり前のことだが企業すべての責任を負うということだ。しかし、頭でそれがわかっていても、別の頭ではそう思ってはいなかった。
 今思えば、何も教えてもらえなかったのは、『教えられたことは残らない、自分で体験したことだけが残る』という旧経営陣の信念だったように思う。
 だから、社長として『あれをしなさい。これをしなさい』では無く自分自身で経験し、考え、判断することを求めたのだ。
 対内的には社員の皆さん、対外的にはお客様にご迷惑をお掛けしたことも少なくない。しかし、経験したことは私の心に深く刻まれた。
 今は駆け出しを少し抜けて、ようやく経営者の端くれに仲間入りさせていただけたかな、と思うこの頃だが、まだまだ自分自身『アマちゃん』だと思っている。
 起こったことの責任を完全に原因自分論で考えられない内は、どこかに『これは私は悪くない』と思うあまい自分がいるのだと思う。
 人間の体を構成している全てのものに意味があり、私たちが生きているように、仕事にも全てに意味があり、無駄なことはひとつも無い。それぞれがお互いに補い合いながら会社は呼吸をし、未来に向けて発展していける。
 今思うこと・・私は社長に成るべくしてなったのではなく、与えられた機会によって成ったもので自ら成しえたことではない。『感謝』
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