長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

良い上司とは好かれる上司ではない

 今日は朝一番で共同設立した、新会社の経営会議が開催された。会議の席上で発生から十五年を迎えた阪神淡路大震災の話題になった。
 新会社の社長は元消防職員で阪神淡路大震災の時、緊急援助隊の副隊長として神戸に行かれた。神戸市内に入って国道の両脇に黒煙が立ち上り、消防職員として火災を横目で見ながら目的地に急ぐ事に大きな疑問を抱いたという。
 ともかく、神戸市消防本部に急いだのである。しかし、金沢市消防本部の数倍の規模を誇る神戸市消防も指揮命令系統が混乱し、殆ど機能していなかった。
 当時、被害の大きかった灘地区を検索し、20体以上の遺体と1名の生存者を救助されたそうである。その時一番感じたことは指揮命令系統の大切さだと仰られた。
 如何に高度な技術を持った救助隊でも指揮命令系統が混乱していれば、その高度な技術を生かす事は難しい。
 指揮官は現状を十分に認識し、冷静に判断を下さなくてはならない。対象は全く異なるが、企業のマネージャークラスも全く同じである。
 いくら高度な製造技術を持っていても、また、営業、工事のスキルがあろうと、判断を下すマネージャーが、現場に浸かっていては全く集団は機能しなくなる。
 また、現場で的確な指示を出せる上司は決して好かれる上司ではない。部下を思い、愛情を持って叱るべき所はしかれる人間だ。その場を取り繕い、部下に対して付和雷同していたのでは部下が勘違いしてしまう。
 これは部下も上司も会社にも不幸な事である。良い上司とは好かれる上司ではなく、正しいことを行える上司の事を言うのである。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ