長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

合成の誤謬

 先日、送られてきたある会報誌を眺めていると、興味深い記事が記載されていた。内容はGE社(ゼネラル・エレクトリック社)の副会長G.ライス氏と武田薬品工業取締役社長 長谷川氏による対談である。
 その中でG.ライス氏はAppleiPodを例に挙げ、『iPodは単に既存の技術を改良したのではなく新しい価値を創造した』と語っている。確かに私たちが学生の頃、聴きたい音楽を入手する場合は、レコード店に足を運び、ドーナツ版を買い、カセットテープに録音して聞いた世代だ。
 それが、今ではネットから瞬時にダウンロードし(ダウンロードできない物もあるが・・)持ち歩くことができる。その音質もすばらしいものだ。レコード店に足を運ばなくとも、家に居ながら聴きたい音楽を直ぐに入手できる。
 iPodが提供した新しい価値は社会のひとつの仕組みを変えたといっても良いだろう。しかし、iPodに使われているパーツのほとんどが日本製であるのに、それを組み合わせて、物をつくる能力は優れているが、価値を創造するという能力に私たち日本人は欠けているのかも知れない。
 結果として『合成の誤謬』に陥ってしまった、と長谷川氏は述べている。したがって、顧客に価値を提供できなければ、企業の価値も生まれず、存在価値すら危ぶまれる事になるのではないだろうか。
 私たちは常に顧客ニーズに対する感度を高めて行く必要があると思ったのである。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ