長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

新しい風

 彼は約束の時間の一時間前からやって来た。風体は坊主頭で一見すると少々変わった感じだが笑顔がさわやかだ。
 彼は車両事業部の強化の為に正社員を募集した中の一人である。今日は最終面接で常務から『社長の面接をお願いします』という事で本日の面接となった。
 第一印象は現在の私たちの会社にはいないタイプだ。履歴書に書かれた自分の長所に『手に止まった虫を殺さないこと』と書くところは、益々どんな人物なのだろうと興味が湧く。
 『これはどういう事?』と聞くと『ある時、自分の周りにいる人や物や生き物がとても愛おしくなって、全てが自分に係わってくれている事にとても感謝出来るようになった』と言う。
 通常こんな言葉を聞けば、変わった人間だ、と思うに違いないが、私はそうは思えなかった。それこそ経験豊富な出来上がった経営者はこんな言葉を口にすることがある。
 私たちの周りにあるもの全ては無意味に存在していない。全てに意味があり何らかの係わりを持っている。その様な視点を持った社員が増えることはきっと社内に新しい風を運んでくれるに違いない。
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