長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

誇れる仕事

 私たちの系列会社に塗装を専門としている会社がある。主な業務は私たちが製造する消防車両の塗装だ。塗装という仕事は一般的にはあまりきれいな仕事とは思われていないようだ。
 確かに、有機溶剤を含んだ塗料を吹き付ける仕事だから、飛散した塗料が作業服に付着することは日常茶飯事だ。こんな仕事だが、私たちの塗装専任者はこの仕事に誇りを持ち、そして、この仕事がとても好きだと笑顔で話してくれる。
 消防自動車の艤装は細心の注意を払い行われるが、フレームを製造する際に、溶接の歪を完全に防ぐことは難しい。そんな時塗装専任者は長年の経験と技術で塗装面を整え、見事にその歪を修正し、素晴らしい塗装面をつくり出してくれるのである。
 彼らは自分が塗装した消防車が走っていると、『これは自分が塗装した消防車だ』ということが分かると言う。そして、良く話してくれる事柄に『これまで沢山の消防車を塗ってきたが、自分の納得のいく塗装ができたことはこれまで一度も無い』と言う。
 まさしく、職人としての気質とプライドが見て取れるのである。そして、今日も作業服を真っ赤にし、額に汗して私たちが製造する消防車に化粧を施し、最大の付加価値を与えてくれるのである。
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