長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

気づいた事はすぐに実行しないと心の負担になってくる

 『気づいた事は直ぐに実行しないと心の負担になってくる』
 この言葉は私の恩師、石村順吉先生の言葉である。石村先生には高専、大学と7年間お世話になった。彼は実習工場の手仕上げの先生で頑固な職人さんだった。
 当時、東京で働いていた私はお正月に帰省すると石村先生のご自宅にお年賀に伺うのが毎年の楽しみのひとつだった。
 ある年のお正月、何時ものように金沢に帰省し、石村先生のご自宅を訪ねた。玄関を開けると何時もと様子が違うことに気づいた。声を懸けると奥様が出てこられ、私の顔を見ると『ご連絡が行ってなかったですか・・』と言われた。
 その時、私は全てを悟った。前年に石村先生は故人となられていたのである。そして、奥様が一枚の和紙に書かれた般若心経を私に差し出された。それは石村先生が晩年、毎日写経していたものの一枚で、私に渡すように言われていたそうである。
 その般若心経が書かれた和紙の一番末尾に書かれていた言葉が冒頭の言葉である。私たちは毎日の生活の中でついつい、やらなくてはならないことを先に延ばしてしまうことがある。
 そんな時、それ自体が心に負担となってしまうことが少なくない。石村先生は心が不健康な状態で良い仕事は出来ない、問題点は先送りせずに直ぐに実行することが大切な事なのだという事を教えてくれたのだと思う。
 今現在、私たちの企業でも様々な問題点が発生しているが、その殆どがやるべきことを直ぐに実行しなかった事に起因している。石村先生の教えはとてもシンプルだが、今でも私たちに大切な事を教えてくれているのである。
 『気づいた事は直ぐに実行しないと心の負担になってくる』今の私たちに最も必要な言葉である。
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