長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

ひとの手の技

 本日、縁があって県内のある企業を訪問した。その企業は自動車部品の製造を生業にしており、素晴らしい技術を持っていた。
 当然、自動車部品なので均質性が求められるが、重要な部分は手の技なのである。案内してくださった担当役員は『機械にかければ誰でも出来るものは人件費の安い中国などでも生産される可能性がある。だから機械ではできない高度なものは手の技術として確率する事が大切なのである』
 確かにその通りだと思う。例えば簡単に見えるアルミ素材の溶接などは熟練していなければ大きなひずみを生む。ロボットでやろうとすれば膨大なファクターを情報として入力する必要がある。
 気温によりアルミ素材の温度が変わるだけで電流値が変化するのだ。しかし熟練工は溶接する時の音や手に伝わる感触でその情報を感じ取り、溶接条件の修正が行えるそうである。
 人の五感は訓練されると驚くほどの精度を実現させる事が出来る。日本のものづくりは一時、手の作業を否定する方向に向かったが、今では手の技を育てる為に大手企業は取り組みを始めている。
 機械が人に置き換わるの単純作業の場合だ。手の技はこれからの日本のものづくりを必ず支える事になると私信じたい。
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