長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

ものづくりのまち北九州


 何時もなら飛行機の中は読書の時間なのだが、今日はうっかりとトランクの中に本をしまい込んでしまった。
 ふと目をやるとシートポケットにJALが発行している『SKY WARD』という雑誌が目に付いた。
 何時もなら読むことは殆ど無いのだが、パラパラとページをめくっているとある記事に目が留まったのである。
 それは北九州のものづくりを特集した記事だった。北九州と言えば一昨年、消防設備協会の視察に出向いた都市でとても印象が深かった。
 その記事の中でとても印象に残ったのは『シャボン玉石けん』という会社の記事だ。この会社は完全に天然油脂から石けんを製造している。
 その製造方法はまさしく酒造りのそれに良く似ている。杜氏が酒を仕込むように原料の状態やその日の天候や気温で状況が変わる為、匂いをかぎ時には舐めて味を見て出来栄えを確認するそうである。
 この天然油脂から石けんを作り始めたのは1974年である。それまでは合成洗剤を中心に製造していたが二代目の社長森田光徳氏が『体に良い製品だけを販売したい』と決め合成洗剤の製造から一切手を引いたのである。
 その結果、売り上げはそれまでの1%にまで落ち込んだが森田社長は決して信念を曲げなかった。苦しい時期は続いたが次第に口コミでその石けんは広がるようになり、今では完全に売り上げは回復したのである。
 私なら会社の売り上げが1/100になっても信念を貫けるだろうか・・・考えて込んでしまった。
 しかし、この正しい事を正しく行なう事に信念を貫き、良いものは周りが必ず理解し、応援してくれる事も事実だと思う。明日早速『シャボン玉石けん』を買い求めようと密かに思ったのである。
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