不遜

　石原都知事が北関東大震災に対して天罰発言を行ない物議をかもしたが、発言の全体から捉えれば決しておかしい内容ではなかったように思う。
　石原都知事は今の日本人が自然に対して不遜の態度をとってきた事に問題があると言いたかったのだと思うのだ。
　様々な体験を積み重ね、自信を持つことは悪くはない。しかし自信を持つことと思いあがる事は全く別だ。
　ＡＣの宣伝の中に『私たちは自然に生かされている』と言う言葉が出てくる場面がある。確かに私たちは自然に生かされている。空気は人間がつくり出しているのではない。自然がつくり出している。呼吸ができる事が当たり前なのでそれについて考える事が少ない。
　そして全てが生態系のバランスで成り立っているのは奇跡としか言えない。私たちは当たり前の事に対して不遜の態度をとってはならない。
　私たちは世の中でも、また、企業の中でも同じ事がいえると気づく。企業の中でいえば全ての社員の皆さんが自らの責任を全うすることにより、企業活動が成り立っている。トップになるほど、自らの力で企業が発展していると勘違いしがちだ。
　孫子はこう言っている『いくら優れた将がいても兵が動かなければ戦には勝てない』
　今回の震災は私たちに様々な気づきを与え、価値観を大きく変えたと思うのは私だけではあるまい。