長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

想定できない事を想定する

 『想定できなかった』という言葉は今回の東日本大震災で多くの専門家が口をそろえて語った。確かに自然の猛威は私たちの人智が遥かに及ばない事は十分に承知しているつもりだ。
 しかし、想定できない事を想定するからこそ専門家なのだと思う。
 こんな言葉がある。『悲観的に準備し、楽観的に行動する』悲観的に、というのは想定の範囲内で考えられるハザードに対して最悪を考えて準備をする事を示している。今回は想定出来なかったというのではなく、想定の範囲が小さかったというのが正しくはないだろうか。
 特に企業経営においては想定できませんでしたという言葉を使う事があるとすれば、それは大きなリスクをまともに受ける事を意味する。私は悲観的という言葉自体、ネガティブな印象があるのであまり好きではないので、どちらかと言えば『緻密に・・』とか『戦略的に・・』と言った方がしっくりくる。
 何れにせよ、震災後、日本の経済の環境は大きな変化をする事は間違いないだろう。全ての経済活動は繋がりを持っている為、日本をはじめとして世界の経済にすら影響を及ぼす事は容易に予測できる。
 今、私たちが出来る事はそれこそ様々な角度から企業経営に対して想定できない事を想定し、準備を整えておくことだ。最終的には取り越し苦労に終わればよいのだが・・
 スイスの哲学者アンリ・フレデリック・アミエルは『将来を思い煩うな 現在為すべきことを為せ その他は神の考えることだ』と言っているが将来を思い煩うことと、想定をする事は全く別の問題なのである。
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