長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

価値判断基準

 毎週水曜日は工場の朝礼に参加する日である。22年度の消防車両の納入も全て完了した。22年度の前半は工程が混乱し、様々な部分で非効率な活動となってしまった。今はそれを踏まえて改善が行われている。
 工場内を一巡すると整理整頓は完ぺきとは言えないが努力の跡はうかがえる。また、少しづつ変わって来たのは工場のメンバーの意識だ。問題の原因を追究し、解決を図る姿勢が見えてきた。これは大きな一歩だと思う。
 今日は朝礼後も工場内を一巡していると、ある作業者がアルミ製のパーツの製作を行っていた。良く見ると現在製造中の消防車両のパーツだ。
 既に車両に装着されていたと記憶していたので、どうしたのか尋ねると溶接部分の仕上がりの品質が良くないので作り直しているという。
 マネージャーに聞くとチェック機能が働いていなかったのではないかとの事。しかし、問題はその以前にあり、何故その様な品質のものが出来上がったのかである。
 作業をした人間が一時的にでもこれで良しとした事実があるはずだ。すなわち、私たちの品質の価値判断基準が摺り込まれていない事に原因のひとつがあると考える事が大切だ。マニュアルは明確に判断を下す基準にはなるが、それ以外の判断をする場合の基準がものづくりの思想や理念そしてその価値観である。
 この部分は定性的ではあるが、全ての業務に対してとても大切な基準となる。そして、それを理解する為には何故私たちが消防車両をつくるのか、そしてそれを使う消防職員の使命感を理解する必要があるのだ。
 この価値観は日常の仕事の中や会話の中で培われる。ベテラン社員の皆さんは技術を承継するだけではなく、是非この部分をしっかりと伝えて欲しいと願うのである。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ