長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

想定はあくまでも想定

 『ハザードマップはあくまでも想定、相手は自然だ、想定を信じるな』と説いたのは群馬大学大学院の片田敏孝教授だ。片田教授は岩手県釜石市の東中学校の生徒に防災教育を行っていた。
 教授は三つの事を子供たちに教えた。その中のひとつが前述した『ハザードマップは信じるな』という教えだ。その他、教授は『最善を尽くせ』『率先避難者たれ』と教えた。
 『最善を尽くせ』は教えられた事だけ行うのではなく、現状で常に最善を考えて行動せよということである。釜石市東中学校の生徒は非難場所の裏山の崖が崩れそうだったので、危険と判断しさらに上を目指し非難をした。
 『率先避難者たれ』は自らが率先して非難する事で周りに警告を与える事ができるということである。非難している途中で出会った保育園児を抱きかかえ、老人の手を引いて逃げたという。
 そして、高台に到着したすぐ後に津波が到達したのである。結果として東中学の生徒と隣接する小学校の生徒は全員が生還することが出来たのだ。
 今回の震災では多くの専門家が『想定外だった』と述べたが、片田教授がいう様に相手は自然なのだ。想定しない事をさらに想定しそして、それでも想定を信じず、最善を尽くすのが専門家なのだと強く思ったのである。
 そして、何よりも教育の大切さを痛切に感じた。今回、子供たちの命を救ったのはハザードマップや防波堤等のハードではない。何度も繰り返し行われ子供たちの身についた防災教育そのものなのである。
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