知識と思考

　最近、子供達に自分で考えて行動しなさい、と言っている自分に気づいた。確かに大人ならば自ら考え、工夫し社会を生き抜いていかなくてはならない。
　しかし、自ら『思考』するためには『知識』が必要なのである。『思考』というのは自分の持っている『知識』を組み立てて再構築することをいう。
　この『知識』は子供の頃に親が教え、学校で学び、体験する事で身につくもので自然とは身につかない。
　これは価値観に関しても同じことが言える。子どもを見ていて『何でこんなふうになったのだろう』と思うことは多々あるが殆んどは親の価値観が伝わっている事が多く、私たちはそれに気づいていない事が多い。
　学習院初等科の校長を勤められた、川嶋優氏が書かれた本には『子供がまだ小さな頃は親の価値観をしっかりと子供に植え付けるべきだ』と書かれている。
　それが将来価値判断の基準になる事は間違いが無い。
　先ずは『思考』の基本になる『知識』をしっかりと子供達に学ばせ、それをベースに自ら『思考』し問題を解決し、大人に生長してほしいと願うばかりである。