変化に対応する
『変化のスピードが速すぎる・・意思決定が遅れれば命取りになる・・』と言ったのはトヨタのサプライチェーンの一角をなす企業の社長だ。
現在自動車業界は中国をはじめとしたアジア地域のシェア獲得に勝負をかけている。当然、その協力関係にあるサプライチェーンのサプライヤーは生産拠点をアジア地域にシフトすべきか否かの選択を迫られている。
この性急な変化に付いてけないサプライヤーは廃業に追い込まれる場合も少なくないようだ。今、日本のものづくりは大きな変革を求められている。
これまで資源の無い日本は原材料を輸入し、それを高度な技術で加工し輸出する事で成長して来た。戦後、モノが無い時代を背景に内需も大きくそれに貢献した。その日本の成長を支えてきたものづくりは現在、国外にシフトされようとしている。
この背景には熾烈なコスト競争がある。素晴らしい技術もコスト競争にさらされ、国際競争力が低下し始めている。
繰り返すが資源の無い日本はものづくりをおいてほか、実体経済の中で成長する事はできない。実体経済が私たち日本の力だ。トヨタの豊田社長は日本国内にものづくりを残すという並々ならぬ決意をしめしたという。
個が変化に対応し、生き残ることができても、私たちの母体は日本国であり国民が生みだす付加価値に他ならない。