長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

難しいのでは無く手間なだけ・・

 『寿司屋の仕事は難しいのでは手間なだけです』と語ったのは東京のある名店で修行した店主である。
 日本人は古来仕事にこだわりを持ち手間を惜しむ事をしなかった。今でも職人、名人と呼ばれる人たちがつくり出す物には必ずひと手間がかかっている。
 そのひと手間がつくり出す料理の味や品物の品質は効率を追い求めたものでは遠く及ばない。彼らはそのひと手間がつくり出すそれの意味を良く知っているのである。
 私たちは往々にしてそのものが持つ意味を理解せずに、効率を追い求め手法を変えてしまう事が少なくない。繁盛店が二店、三店と出店する際、効率を高める為に手間を惜しみ、やるべき事をやらなくなったりすればお客様はそれを瞬時に見抜くものだ。
 効率を高めるという事と本来手間をかけすべき事をやらなくなることは全く別の問題だ。やるべき事を如何に効率よく行うかが工夫であり、やるべき事をやらなくなるは工夫とはいわない。
 私たちもこの落とし穴に注意しなければならない。効率を高める事はこれから業界の変化をリードする為にも必要だが、『人の命を救うために自分の命を懸ける人たちの為に』ひと手間を惜しんではならないのである。
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