小さな事から全体を予測する

　製造現場が整理整頓されていなければ問題を内在している可能性が高い事は何度かお話している通りだ。
　会社の廊下や階段に落ちているゴミが放置されている、コピー用紙が切れているのに誰も補充しない、洗面所が汚れているのに誰も掃除をしない・・こんな時は小さなミスでお客様にご迷惑をお掛けしている可能性がある。
　何故そんな事が製品や仕事の品質に関係があるのかという人もいるだろう。製造現場が整理整頓されていないという事は品物、部品、工具等を探しているはずだ。
　すなわち、時間が無駄になり効率が低下し、それを補う為に煩雑な仕事をしているものだ。そんな職場環境から良い製品は生まれない。
　また、誰かが整理するだろう、誰かがゴミを拾うだろう、誰かがコピー用紙を補充するだろうという当事者意識の無さが小さなミスを引き起こす。野球でいえばファーストとセカンドの間に上がったフライを相手が取るだろうと思い、お見合いする事に似ている。
　管理者は小さな事を見逃してはならない。小さな事から全体を予測し問題が発生しない様にするのが管理であり、起こった問題を繕うように対処する事が管理能力ではないのだ。