長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

私たちは誰の為に仕事をするのか

 ジョンソン・エンド・ジョンソンという会社をご存じだろう。1982年9月アメリイリノイ州ジョンソン・エンド・ジョンソンが製造した『タイレノール』を服用した7名が死亡したという事件が発生した。
 何者かがシアン化合物を混入したのが原因だった。同社の対応は実に素早かった。報道からおよそ一時間後には全メディアを通じて全米に使用中止を呼び掛けた。
 そして、全社員に向かって全ての市場から『タイレノール』の回収を指示したのだ。この時の同社の最高経営責任者がジェームズ・バーク会長だった。
 彼が会長に就任した時、バーク氏は経営幹部を前に同社の『われらの信条』を指差し、『これを守る事が出来なければ、これを壁から引き剥がそう』と言い、その実践を誓い合ったという。
 そこにはこう書いてあった『私たちの第一の責任は、私たちの製品およびサービスを使用してくれる医師、看護師、患者、そして母親、父親をはじめとする、すべての消費者に対するものであると確信する』すなわち消費者の命を守ること、これが同社の信条だった。
 この危機に際して彼らは忠誠を誓った信条を下に果敢に行動したのである。その結果、同社の勇気ある行動は称賛され、再び市場は彼らを受け入れたという。
 ここには何の為に、誰の為に仕事をするのかを明確に示すことの大切さを読みとる事が出来る。私たちは往々にして仕事の目的を見失い、近視眼的に価値判断をする事が少なくない。
 道に迷った時、私たちの仕事の目的は何なのか、そして誰の為の仕事なのかを考えれば進むべく道が見えてくるのである。
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