長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

視点の転換が成熟産業を延ばす


 私たちのものづくりに欠かせないのが『ネジ』である。基本的に精密ネジはJIS規格、ISO規格で寸法等は決まっているのでどこがつくっても同じものが出来る。
 だからこそ、私たちは安心してネジを持ちいて消防車両を製造する事が出来るのである。
 さて、この様にインダストリアルスタンダード(工業規格)で決まっているものは価格の競争に陥りやすい。何故ならどこがつくっても規格を満足していれば良いからだ。
 この様に付加価値を追求し難い、標準量産品の代表であるネジをつくる会社は下町の小さな企業が多いのが現状である。実はこの『ネジ』に付加価値を与え成熟産業から脱却させた企業が東大阪にある。
 川端ネジ製作所がそれである。代表の川端社長は変哲もないネジの不良品を眺めていて、この傷や凹みは工業製品としては不良品だが逆にデザインの一部と捉えたら面白いのではないがろうか、と考えわざと傷や凹みをつけてみた。
 次に色をつけてみたらどうだろう、と考え色をつけてみた。かたちを変えてみたらどうだろう、と考えかたちを変えてみた。そして出来上がったのがデザインネジである。
 これまでネジは目立ってはならなかった。それを見せるネジとして発想を変えた事が大ヒットに繋がった。私たちは成熟産業は伸び代がないと考えてしまいがちだが、川端氏は視点の転換で商機を掴む事が出来る事を教えてくれたのである。
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