考え方の癖を変える
人間、無くて七癖という。これは癖がない様に見えても、人には少しは癖があるものだと言っているのである。
人が持つ癖の中でも考え方の癖は人の行動に大きく係わってくるものだ。多くの人が考え方が変われば、行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる、運命が変われば人生が変わる、と言っている様にその原点は考え方なのである。
ある課題を提示しても、出来る理由を一生懸命考える人と、出来ない理由を見事に理論だてて考える人がいるが、同じ頭を使うならばどちらにエネルギーをかければよいかは明白であり、その結果が人生を大きく左右する事は間違いないのである。
1970年に米国でマスキー法という法律が発行された。これは自動車の排気ガス規制法であり、これを機に低公害エンジンの開発が加速されたが、その厳しさにパスする事は難しいだろうと言われたのである。
それを実現させたのが本田技研工業が開発したCVCCエンジンだった。渦流調速燃焼方式とよばれるこのエンジンは世界で初めてマスキー法をクリアーしたエンジンとなったのである。
世界がパスする事すら難しいと考えたマスキー法をクリアー出来たのはホンダの挑戦する社風と、エンジニアの出来ないはずがない、という考え方の癖に他ならない。
この考え方の癖は結果として世界を動かしたのである。これ以上は説明の必要はないだろう。良い考え方の癖は、良い結果を生み出すのである。