長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

マイスター制度


 ドイツには『マイスター制度』と呼ばれる熟練工の中でも最高峰の資格があると聞く。今では殆どの職種でマイスター制度は廃止される方向にあるそうだが、今でも市民生活の安全に係る職種はマイスターの資格がなければ開業できない。
 このマイスター制度は現在のドイツのものづくりのレベルの高さを支えてきた制度である事は間違いないだろう。考えてみれば日本の職人を制度化したものに似ていると思う。
 マイスターになるには見習工として就職しながら勉強し、さらに一年間のワルツと呼ばれる放浪修行に出て、技術と知識に磨きをかけ、熟練工になった後も3〜5年の技術研修を受けた後、国家資格であるマイスターの試験に挑む。
 私たちも何年か前から社内マイスター制度の構想を持っており、何とか実現したいと考えてきた。しかし、最近では加工の基本技術や工作機械、冶工具の取り扱いなどものづくり企業としての基本が揺らぎ始めている様に感じる。消防車づくりは殆どが手作業で行われ、乗用車の様な量産形態は持たない。
 それは地域の特性や消防戦術に応じた消防車が要求されるためで、それをスピーディーにかたちにする為には、高度な設計技術と艤装技術、そして何よりもつくり手の消防車づくるに対する思いやりが必要だ。
 つくり手の都合を考えれば、標準化をする事が効率を生むが、使い手の都合を考えれば、それは全ての要求を満たす事が出来ない。
 何れにせよ社内マイスターの原点は消防車づくりに対する誇りであり、技術はその下にある。基本からものづくりを見直し、お客様の信頼を勝ち取ることが出来る消防車両を製造する事が私たちの使命である。
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