A面とB面
今日、登山家野口健が語った言葉が妙に心に残った。この言葉はODA(政府開発援助)の仕事をしていた彼の父親の言葉だ。彼はある時、父親の赴任先の発展途上国でその国を隅々まで見て回った。中にはかなり危険な地域もあった。
子供心に、何故こんな危険なところへ連れてくるのか質問すると、ODA(政府開発援助)は政府の高官が言っている事ばかりやっていても本当の援助にならない。自分の目で見て、その国で何か必要なのかを感じることが大切だ。
世の中にはA面とB面がある。パッと目に見えるのはA面で、自分から行動しないと見えないのがB面だ。見るならB面を見ろ。B面に社会の課題がある。そう、彼に話した。
企業に当てはめて考えれば、組織が大きくなると組織が効率よく機能するように権限を委譲する。そして、経営陣は情報を収集し、報告を受け様々な意思決定を行う。
しかし、全ての情報を収集する事は事実上不可能であり、さらにニュアンスや雰囲気といったものが伝わり難い。すなわち、定量化できるものは見えやすいが、定性的なものは見え難いのだ。
大企業になればなる程その傾向は強くなる。したがって意思決定にブレが生じやすくなるのだ。製造現場では常に三現主義を徹底し、現場、現物、現実から判断することが大切だ。その為にも、私自身がもっと現場を大切にし、現在何が起こっているのかを、目で見て感じることが必要だと痛感している。
A面とB面は企業内にも存在しているのである。
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