見えないものを可視化する

　大切なもの程、目に見えない事が多い。空気は目に見えないが、私たちは空気が無ければ生きてはいけない。愛情も目に見えないが、愛情は人間関係の中で何よりも大切なものだ。
　言葉も見えないが私たちのコミュニケーションの根幹をなしている。
　優れた営業マンは目に見えない小さな努力をしている。それがノウハウであり、積み重ねると大きな差になる。
　私たちのものづくりにおいて、設計図面の正確さは正しくものをつくるためにはとても重要な事のひとつだ。
　本来、設計図面にはものづくりに必要な全ての情報が入っていなければならないのである。しかし、これまで私たちは現場力に頼り切ったものづくりをしてきた。ノウハウは可視化されず、現場のノウハウとして見えなくなってしまっていた。
　実はこれが社内加工から外注加工に転換された時、大きな問題として浮かび上がる。社内で当然の様に行われてきたノウハウは水面下に潜ってしまう。しかし、これが機能して初めてものづくりが完結している事実がある。
　すなわち、ノウハウが可視化されないまま加工された製品は気づかぬうちに問題を内在してしまうのである。
　これから私たちは全ての業務の見えないノウハウを可視化しなくてはならない。来期に向けての大きな課題の一つである。

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