想いの力

　悪夢の様な、全国サッカー選手権大会から三日が経った。過日、星稜高校へ出向き校長と話していると、本当に残念で、まだ気持ちの整理がつかないと仰っておられた。
　確かに、ドラマの様な試合だったが、ある意味では、彼らの心の思うままの試合になったのではないかと私は思う。
　人間には強くイメージした事を実現する能力があると私は信じている。それはプラスの思いも、マイナスの思いも同じ様に実現させてしまう。
　あの時、富山第一高校の大塚監督は『どうせ神様は俺たちにドラマチックな展開を用意している』と選手に言った。片や、星稜高校はどうだったのだろう。多分、動揺し、このままではまずいと思ったに違いない。その心の裏側には負けるかもしれないという気持ちがあったのだ。
　想いの力は、まさしくそれを、その通りに実現させてしまった。
　それこそ、あの場面で神様は最高の舞台を用意してくれた。勝つのは俺達星稜ナインだと、全員が思ったなら、結果は大きく違っていたに違いない。
　想いの力を信じるかは皆さん次第だが・・・