長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

残心・・・

 今日は、9時のフライトで東京に出張である。何時もならば読書の時間だが、今日はたまたま放映していたドキュメンタリー番組が心に残った。
 それは、日本に住むオーストラリア人のドキュメントである。彼は高校生時代に日本に留学し、その後再来日した。
 現在では日本人女性と結婚し、高校時代に始めた剣道の師範をしながら、大学で教鞭をとっている。彼に、剣道を教えた先生は、彼を日本人よりも日本人らしいと言う。
 彼は、日本人は『武士道』という言葉を良く使うが、その本質を説明できる人は殆んど居ないという。確かに、『武士道』を一言では言い表せないが、その中でも大切な事が『残心』だと言う。私も、若い頃は武道に慣れ親しんだが、その時によく言われた言葉が『残心』であった。
 残心とは、敵を倒した後に戦う心を残し、油断し無い事を言う。倒した相手から目を離し、油断すると倒れていないかもしれない相手に反撃を食らう事もありえるのだ。それを防ぐ為に、心を残し油断しないのである。
 この残心は武道の世界だけではなく、日常生活の中にもある。仕事の中では、電話を切る時がそのひとつだ。話終った後に、直ぐに切ってしまう人が居るが、相手が言い忘れた事を続けて話そうとしていることもあるのだ。
 そんな時、残心が出来ていれば、電話を切ってしまい、相手に不快感を与えることも無い。残心とは、一方で思いやりと言うことも出来るのである。
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