長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

防災ヘリ出動


 二日目は、早朝6時には、劔沢小屋を出発。日本三大雪渓のひとつ、劔沢の雪渓を下る。劔沢の雪渓は、かなり固く締まっており、アイゼンが必要な場所もあるが、アイゼンを付け慣れていない子供は、反対に雪渓に引っ掛けて転倒する可能性があるので、スワミベルト(簡易ハーネス)を装着させ、ビレイしながら下降することにする。
 雪渓は、所々氷化しているが、スプーンカットを利用しながら慎重に下る。途中、フラフラしながら、歩いている二人の高齢の女性に声を掛ける。ひとりはかなり、足にきている様で、立っているのもやっとの様だ。
 気をつける様に、声をかけて一旦下るが、気になったので、もう一度登り返して、暫く一緒に下る。聞くと、私たちと全く同じルートを行く様だ。
 どう見ても、無理ではないかと思い、先の真砂沢小屋に立ち寄り、オーナーに事情を説明し、先を急ぐ。真砂沢から下は、雪渓に大きなクラックやスノーブリッジができており、踏み抜いたらタダでは済まないので、ルートファインディングを慎重に行い、下降する。
 昨今の、暑さは2000mを越える山中にも、熱気を運んできている。雪渓の上は涼しいが、一旦樹林帯に入ると恐ろしく暑い。

 1000m下り、そこから急登をさらに1000m登り返して、今日の宿泊地、仙人池ヒュッテに到着。ここは仙人池に映る逆さ裏劔が有名で、紅葉時期には多くの写真家で賑わうそうだ。
 仙人池ヒュッテで、先ほどの年配の女性が、雪渓で転倒、怪我をし防災ヘリで搬送されたと聞き、やはり無理だったかと思う。私たちも十分に注意が必要である。
 今日のハードな行動にも子供は、よく頑張った。こんな経験が将来、何かにつながると信じたい。
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