長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

山小屋の仕事


 三日目は、早朝6時に仙人池ヒュッテを出発する。標高が1000mより低くなると、気温もかなり高くなり、雪渓も崩壊し始めている。十分なルートファインディングを行うが、あまりにも、雪渓の状態に注意を取られすぎ、二回ほどルートを見誤ってしまう。
 地図とGPSでルートを確認しながら注意深く進む。途中、長いハシゴ場を幾つも通過し、その度に、ロープでビレイしながら子供を下降させた。
 さすがに、腕が疲れてきたが、安全を確保するのが目的だと言い聞かせながら危険箇所をクリアした。
 途中、旧日電歩道を歩き、高熱隧道を横切り、足で歩いてきた者だけに許される、雄大な景色を望み、阿曽原温泉小屋に到着。
 ここの主人は、元富山県警山岳救助隊に所属しており、多くの人の生き死にに関わってきた。今では、救助隊を引退し、山小屋の主人として毎日登山客の安全を見守ってくれている。
 私たちが、通ってきたルートも、明日通るルートも、彼らが登山道の草刈をし、雪渓にステップを切り、崩落箇所を整備し、見えないところで私たちの安全のために活動してくれている事を知り、心から有難いと思ったのである。
 三日目にもなると、子供達も疲れが溜まって来たようだが、まだまだ元気だ。若いとは素晴らしい事である。
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