山の安全について思う
山には、様々な顔がある。なだらかで、優しい表情から岩稜帯でゴツゴツした顔までその様は、ひとつに形容する事は出来ない。
当然、山が様々であるように登山者も様々である。先日、剱岳の山頂で出会った、登山者の話を聞いていて、少々驚いてしまったのである。
彼は、バリエーションルートの北方稜線をやってきたようだ。途中、ルートを見失い迷っている所を他の登山者に出会い、後をついて来たとのこと。そして、長次郎谷の雪渓を登り、平蔵谷の雪渓を降りようかと言っていた。
しかし、持っているのはピッケルだけで、ハーネス、カラビナ、ロープ、アイゼンすら持っていないようだった。聞けば長次郎の頭(ズコ)で大きな岩を落石させそうになり、それを引っ張って止めてケガをしたそうだ。
言っていることから考えても、あまりにも軽装、軽薄だと感じた。たまたま、登ってこられただけで、一歩間違えば遭難の可能性もあったはずだ。
私たちは、コンディションの良い時をたまたま登る事が出来ただけで、そうでない時に安全に登頂できるとは限らない。
過信をしてはならないし、また、無計画で無知なこと程、恐いものはないとも思った。自分だけならまだしも、事故は人を巻き込むこともあると知らなくてはならない。
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