褒めることは大切だが・・・
人を褒めることは大切だ。一時、子供は褒めて伸ばすという考えをよく耳にしたものだ。
確かに、その通りだと思う。ただし、それが褒めることに相当するほど頑張ったのかどうかが、褒める時には大切な事だと思うのだ。
企業でも、あまり叱ってばかりでなくて褒めてやって欲しいと耳にするが、本当にそうなのだろうか。
社会人として、企業人として求められている事は、ほとんどの場合出来て当たり前の事ばかりだ。
困難な事に直面し、それを努力してやり遂げた時はじめて上司が部下に良くやった、と自発的に行うことが『褒める』という事なのだ。褒められることに慣れて育った子供は、大人になった時自然とそれを求めるようになる。
それが、もっと褒めてやったら良いのではないかという言葉に出てくる。それは自分が褒めて欲しいという気持ちの裏返しなのかも知れない。
勘違いしてはならないのだ。褒めるという事は、上司や、親や、目上の者が、困難に挑戦して成し遂げた時、自発的に行うもので求めるものではない。上司から、親から褒められないのは、困難に挑戦せず、出来て当たり前の事をそこそこの努力で終わらせているからだ。
褒められ依存症の大人をつくらないためにも、子供たちを厳しく、愛情をもって育てていきたいものである。