長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

存在理由


 本田技研工業が超高性能、超高価格レーサーレプリカ『RC213V-S』を市販化して話題になった。これは、レース用のバイク『RC213V』をベースに、一部仕様を変更し公道を走行できるようにしたものだ。
 250台限定で、その価格は、なんと2190万円。ちょっとした家なら買えてしまう値段だ。その生産現場をホンダは公開した。
 ものづくりの企業として、驚いたことがひとつある。それは、この生産に携わる事ができる作業者の条件は、部品の一点一点の存在理由(何故それを使うのか、その理由)を理解し、且つ、組みつけの条件の意味(何故その組み付け条件なのか)まで熟知している事を求めているのだ。
 これは、私見だが、多分ホンダは、この『RC213V-S』の生産を通じて、ものづくりの理念、意義、価値、理由などを社内に残す事をもう一つの目的としているのではないかと思うのだ。
 それ程、現在のものづくりの作業は分業化され、全体像を掴むことが出来ずに、与えられた作業をするだけになって来ている。なんでこんな事が、と思うようなトラブルが起きている原因がここにあるように思うのだ。
 私たちの、生産現場でも、部分で見ればよくできているが、実際の現場で使用されることを想定すると、実態に即していない事が多くある。かたちが定められたとき、それには理由があったはずだ。
 形骸化したものはないか今一度点検が必要だ。
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