長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

世界初!難燃性GFRP消防車両


 石川県の新技術・新製品開発支援事業の採択を経て、難燃性GFRP製消防車両の開発に着手したのが二年前のことである。
 ALPAS(アルミパネルシステム)を採用したオールアルミ製消防車の開発直後であったが、次のステップを睨んだ決断だった。
 アンテナを上げていれば、チャンスは必ずやって来る。それがチャンスだと気づくか否かが問題なのだ。この部分は、ある意味インスピレーションに近いものがあると感じている。
 さて、難燃性GFRPの開発は困難を極めた。GFRPの型をつくり車両を生産するのは難しい技術ではないが、これにはひとつ問題がある。型による生産は、画一的なものづくりしか行えない点である。
 消防車両は、地域の特性や消防戦術に応じて生産される。しかし、型による生産では、前述したように同じかたちのものしかつくる事が出来ない。私たちは、これを解決する為に、世界を周り、ひとつの結論を導き出した。それは、パネル構造によるGFRP製モノコックフレームの開発である。
 また、この開発はこれまでの鉄骨に鉄板で構成されるものづくりの経験は通用しない。そこで、FEM(有限要素法)を駆使し、フレームの構造解析を行い設計の根拠を求めた。
 紆余曲折の末完成した難燃性GFRPモノコック構造フレームは、消防車両としては世界初となったのである。この車両は、1350リットルの水槽容量を持ち、これまで中型車両でしか実現できなかった仕様を実現する事に成功した。
 これにより、20〜30平方メートルの面積の中期火災を叩く能力を持ち、現場でのクイックアタックを可能としたのである。この車両の開発は、これからの消防戦術を変え、多くの人命を救う事ができるよう期待したい。
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