長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

引き算の美学

 なにも足さない・・なにも引かない・・あるウイスキーのコピーである。
 と言っても、実際はウイスキーの原酒に加水して販売されているのが一般のウイスキーだ。しかし、ウイスキーには本当になにも足すことなく、そして引くこともないウイスキーが存在する。
 樽から出された原酒をそのままビン詰をしたものをカスクウイスキーという。カスクウイスキーは一般のそれとは別格だ。その力強い芳醇な香りに、ウイスキーファンでなくとも黙って頷くほどの力がある。
 私たちは、長い人生を生きる過程で、様々なものを身にまとう。学歴、立場、財産、肩書・・・気が付くと重たいものが身体にまとわりついている事に気づく。
 そんなものを一つひとつ、引きはがしていくと、本当の自分が視えて来る。学歴、立場、財産、肩書・・・全てがなくなった時そこに残るものが輝いているか・・・そこに人の本当の価値があるとしたらどうだろう。
 カスクウイスキーが本物のウイスキーだと言われるのも、樽から出された原酒そのものだからだ。
 本当に何もなくなった時、どんな自分がそこにいるのか。正直、全く考えもつかないというのが本音なのである。
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