富士山登山を考える
今回の富士山登山を終え、思う事があった。
先ずは、世界遺産に登録されてから、内外問わず多くの登山者が富士山を訪れるようになった。それはそれで、日本を海外に発信するには良い機会だと思う。
ひとつの問題は、SNSが幅広く利用されるようになり、ネット上に情報があふれている点だ。確かに正確な情報もあるが、そうでないものもある事に注意が必要だ。
また、受け入れる側の情報発信も安易に発信するのではなく、3776m単独峰登山のリスクを十分に説明する必要があると考えている。
今回、私たちが下山するタイミングで、私の知人が富士山に登り始めていた。私たちは運良く、雨をかわして下山できたが、そのパーティは、土砂降りの中行動しなくてはならなかったという。
パーティの中には、登山に耐えられるレインウエアを持っていない人もいたらしく、ほとんどが、吹きさらす雨に打たれ、全身ずぶ濡れになり、低体温症を発症した人もいたとのこと。
パーティの個人装備には、登山に耐えられるレインウエアを準備するように書かれていたが、それを守った人は少なかったのである。
また、登山を開始する時間にも問題があると思う。渋滞を避けるために、お昼を過ぎてから(14〜15時)登り始め、山小屋到着が日没後になるのはいただけない。
ともかく最低限登山をする装備で臨まなければ命に係わる事を認識し、発信すべきだと思う。
結局、知人は七合目で登山を中止し、下山したとのこと。参加したパーティのメンバーは二度と富士山には登らないと言っていたそうである。
山の眺望は、下界では経験できない素晴らしいものだ。それを安全に楽しむためにも十分な知識と準備をして臨んで欲しいものである。