長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

初冬の立山その2


 もう日の出が遅く、ルートを確認できないので雷鳥荘で朝食をとってから出発の準備を行う。
 昨夜の放射冷却で雪はパウダー状に成っている。アイゼンを装着し雷鳥沢を下る。雷鳥沢を渡河し、劔御前を目指して登り返す。
 この辺りは、雪がパウダー状で、アイゼンが効きにくいのと、晴天から気温が上がってきたことから、大汗をかいてしまった。
 劔御前小屋はすでに今年の営業を終えており、9時20分到着。小屋の裏手から別山へのルートを探すが、小屋の裏へ回ると恐ろしいほどの風が吹いている。ハードシェルを着込み、厳冬期用のグローブを付ける。
 山頂に向かうとさらに風は強くなり、何度も身体を持っていかれそうになる。快晴であったことから、ルートは比較的わかりやすい。この先は、ほとんど人が行かないのだろう、トレースは殆どなかった。
 途中、雪壁をトラバースする。スリップすれば、奈落の底だ。ピッケルとアイゼンを打ち込み、慎重に進む。富士の折立への岩綾帯は、岩と雪がミックスしており、登るのに苦労した。
 雄山の山頂には12時45分に到着。いやはや、20m近い風に悩まされながら何とか、室堂まで戻ることができた。
 今回は運が良かった。風は強かったが晴天であったこと、天候が最後まで崩れなかったこと、ルートをミスすることなく、歩けたことなどなど、立山の神様が、微笑んでくれたことが何よりであったと思うのである。
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