既成概念で考えない
経験を積み上げることは素晴らしいことだ。
一方ではその経験から物事を考えすぎると、経験以上の事柄を得ることは難しくなる。
十年以上も前に私たちは消防車両の軽量化に取り組んだ。鉄骨と鉄板のフレーム構造をそのまま溶接構造でアルミ材に置き換えたのだ。
しかし、アルミニウムの溶接構造は思ったよりも難易度が高く、残留応力が悪さをする。時間の経過とともに、大きなひずみを呼んでしまうのである。
アンニーリング(焼きなまし)をすれば残留応力を取り除くことはできるが、膨大な時間と大きなコストが掛かってしまう。
この経験が私たちの既成概念になってしまっていたのだ。その既成概念を根底から覆したのがZieglerとの出会いだった。
彼らはまったく違う方法でアルミニウム製ストラクチャーを完成させていた。既成概念は進歩を阻害する。経験を超えて何か方法がないかを常に模索することだ。
その根底にはやりきるという強い心が必要なのだ。
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