長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

失敗から学ぶ・・剱岳北方稜線その2


 
 剱岳北方稜線は、バリエーションルートであることから、当然のこと登山地図に詳細など書かれてはいない。自分の目で見てルートファインディングを行いながら判断して進むことになる。
 スタートは早朝5時である。なんと事件はスタートから起こったのである。小窓の雪渓への何でもない取り付きの場所を勘違いし、旧鉱山道に入り込んでしまったのである。
 通常こんなところでルートミスをするはずもない場所だ。事前に下調べをしておいた情報を読み違えていたようだ。
 初めての場所なので小屋番に聞くこともできたのにそれを怠ったのが原因の一つだ。ここで、旧鉱山道から引き返すのになんと三時間半をロスしてしまう。
 小屋まで戻ったのが8時半である。我々のペースならば15時には劔沢に下降できると判断し続行したのが第二のミスだ。
 小窓雪渓を上昇し、小窓のコルまで行ってしまったのだ。実際のルートは小窓のコルから少し下がったところにあった。ここで、岩綾の藪漕ぎを強いられ、一時間以上の時間をまたしてもロスしてしまったのである。
 また、この後には難所の小窓の王へのルンゼ、池ノ谷ガリーが待ち構えている。ここは、落石の巣で、小窓の王へのルンゼを上昇中に直径50cmほどの石が細かい岩を巻き込み落石が発生し、ヒヤリとした。
 池ノ谷ガリーもちょっと力を加えると足元からガラガラと石が崩れ非常に歩きにくい。池ノ谷ガリーを登り詰めれば、池ノ谷乗越である。ここからは、前回、長次郎谷右股からのルートなので見覚えがある。
 慎重にクライムアップ、クライムダウン、トラバースを繰り返しながら、14時に劔本邦に到達した。そして劔沢に下降したのは16時30分だった。剣山荘を17:30出発し、 さらに、別山を登り返し雷鳥沢へ下降したのは19時30分だった。当然、途中からヘッドランプをつけ夜間行動になったのは言うまでもなく大きな反省点だ。
 今回は、事前の調査を誤った情報を正しいと思い込んでいたこと、バリエーションルートであることからルートミスを計算に入れておかなかったこと。
 そして何よりも、過信が引き起こした失敗であったと深く反省している。
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