長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

勤続50年

 高校の入学金を使い込み、父親からお前のようなものは働け、と言われて中学を卒業して直ぐに弊社に入社したのが50年前だ。
 そんな彼が5年の定年延長を終え、5月15日に弊社を卒業する。勤続50年だ。私が6歳の時に入社したことになる。彼とは家族のような付き合いをしてきた。
 昔は会社の二階が社員寮になっていて住み込みで働いていた。一緒にブルースリー燃えよドラゴンを観に行った。夏休みには白山登山をしたのも思い出のひとつだ。
 今では業界のスタンダードになっているサブフレーム方式も彼が日本で初めて実用化させた技術だ。会社にはポンプユニットを鋳造する鋳物場があった。鋳物師の手ほどきを受けてポンプユニットを鋳物で吹いた経験者は今では彼しかいない。
 叩き上がりの職人であり、技術者である。ひとつの仕事を50年やり続けることはなかなか出来ないことだ。親子二代にわたってお世話になった社員はこれから先も出てこないだろう。どんな言葉をかけようか考えたがどんな言葉をかけようと安っぽくなってしまう。
 黙っていても気持ちは通ずるだろう。言わなければ伝わらない関係性ではないからだ。本当に50年間ありがとう。
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