技と技術の融合
ALPASスーパーストラクチャーの導入から私たちの製造現場は大きく様変わりした。
溶接構造からボルトによる締結に変更したため溶接音やサンダーの音がほとんど無くなった。音といえば電動工具がボルトを締め付ける音だけだ。
そんな中で今になっては懐かしい音が工場に響き渡っていた。そう、消防車両のフェンダーの造形作業の音だ。
この作業は、長野ポンプ創業から連綿と受け継がれている技だ。一切、動力機械を使用せず、治工具だけでハンドメイドでフェンダーを造形していくのだ。
多分この技でフェンダーを造形しているのはポンプメーカーの中では私達だけだろう。ある意味で非効率なこの作業をあえて社内の継承すべき技術として認定しているのは、一度失われた技は二度と元に戻らないからだ。
この技は単にフェンダーを造形することを目的としていない。どこをどうすればその形になるのか。金属の特徴を理解することで、それは生き物であることに気づき、力で造形するのではなく調和で造形することで無理なくその形になることを理解して欲しい。
その向こうにとてつもなく大きな広がりがあり、全てにつながることを理解して欲しいのである。
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