長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

剱岳の高さを変えた男


 剣岳はこれまで二回標高が変わっている。明治40年測量官の柴崎芳太郎は周辺の山々の三等三角網の測量によって山頂の独立標高点を2,998.02 mと計算した。
 その後、昭和5年地上写真測量で3,003 mとされた。そして、昭和43年航空写真測量で2,998 mとなり、さらに平成16年ヘリコプターを使った資材輸送により三等三角点が設置され、GPS測量により三等三角点「剱岳」2,997.07 mが求められた。
 水平測量による最高点との差を足して剱岳の標高は2998.6 mとなった。
 柴崎測量官が剣岳の登頂に成功してから102年目の平成21年、元国土地理院の山田明氏によるGPSなどによる測量では、2,998.42 mであり、正式に2999mとなったのである。
 山田氏は、いまなお剣岳に足を運ぶ。劔沢小屋で彼と出会い、酒を酌み交わしその偉業を知ることとなる。
 彼は言う、日本の山の高さは正確に図られていないものが殆どだそうだ。剣岳だけではなく、正確に測定すればこれからも山の高さが変わるのかも知れない。
 剣岳の標高を2998mから2999mに変えた男はそう語るのである。
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