長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

秋の北方稜線


 剱岳本邦から池の平まで続く北方稜線は、剣岳のバリエーションルートのひとつだ。
 昨年は池の平から本邦へのルートを歩いたが、今年は本邦からのルートを行くことにした。剱岳山域の山小屋も短い夏の営業を終えようとしている。
 今年も何度もお世話になった劔沢小屋は7日、さらにその奥の池の平小屋は8日の宿泊を最後に冬支度に入る。これから長い冬がやってくるのである。
 早朝4時45分に劔沢小屋に別れを告げ先ずは剱岳本邦に。剱岳本邦から向こうは北方稜線の入り口だ。慎重に長次郎の頭を目指し下降する。
 長次郎の頭をトラバースし、池の谷乗越へ。ここから先は池の谷ガリーだ。今年は北方稜線へ入った登山者が少なく非常に荒れている。一歩を踏み出すごとに蟻地獄のように足元が崩れる落石の巣だ。慎重に慎重を期して下降する。
 池の谷ガリーを下降し、振り返るとガリーが長大な岩の川のように見えた。そこからバンドを登り返し発射台へ。バンドには残置ロープが張られているが足場を確認しながら慎重に登る。
 ここから山腹をトラバースし小窓の雪渓へ下降する。小窓の雪渓は氷河として知られている。取付きでアイゼンを装着し、小窓の雪渓を下降。
 池の平に続く鉱山道の取り付きを見逃さないように注意しながら進む。今年の紅葉は筆舌を尽くし難い美しさだ。
 鉱山道から池の平小屋へ向かう。剱岳の奥深くにある小さな小屋だが味わい深く、大好きな小屋のひとつだ。
 昨今では、SNSなどで北方稜線について書かれていることもありこのルートをおとずれる登山者も多いが登攀技術、ルートファインディングの力を試されることになる。
 十分に注意して臨ことが肝要である。
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