長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

目指すは頂上にあらず

 『目指すは頂上にあらず、心はアルピニストにあらず』
 この言葉は、元富山県警察山岳警備隊の城宝勝明氏の言葉だ。
 昭和44暮から45年正月にかけて北アルプスには大寒波が襲来した。北アルプス北部にある剱岳は記録的な豪雪に見舞われ15パーティ81が遭難、その中の18人が行方不明または死亡する大量遭難が発生した。
 その救助活動の先頭を切ったのは芦峅寺立山ガイドを中心とした救助隊だった。当時、富山県警察山岳警備隊員は未だその中心とは言えなかった。
 それを機に富山県警察山岳警備隊は立山ガイドの献身的な指導を受け自立していく事になる。その、創立メンバーの一人が前出の城宝勝明氏である。彼はNHKが製作した『プロッジェクトX』で当時の命がけの苦労を語っている。
 馬場島から早月尾根を駆け上がり、室堂まで定められた時間内で登攀したり、厳冬期の八ッ峰での厳しい訓練が富山県警察山岳救助隊を強くしていったのだ。
 彼らの目標は山頂に登頂することでは無く、そして山を楽しむものでもない。ただ危険を顧みず人命を救う事にある。
 この言葉にすべてが集約されている。私たちは彼らに甘えることなく、安全を最優先し自立した登山者を目指すことが大切だと深く思ったのである。
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