長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

理念の浸透

 過日、ある旅館に宿泊した時のことである。予約した時間に30分ほど遅れると連絡を入れると、夕食の時間は18時30分が最終で、それより遅れると困るとのこと。
 極端な時間遅延ならばわかるが、わずかな時間遅延を困ると言う旅館の姿勢は、お客様都合ではなく、自分都合であり、サービス業としては如何なものかと少々気分が悪くなった。
 いずれにせよ、遅れないように道中を急いだが、結局15分ほど遅れて到着したのである。到着すると古民家風のとても落ち着いた宿で、至るところに経営者のこだわりが見える。
 ハードの面では、文句のつけようがない旅館だと感じた。しかし、夕食では、遅れた時間を取り戻すかのように、ものすごく速いペースで次から次へと料理が出て来る始末。
 料理にもこだわりがあるのに、残念に思ったのである。帰りに、おかみさんはいますかと質問すると、経営者はいるけれど、おかみさんはいないとのこと。
 ハード面は、経営者のこだわりを、表現する事は実は難しくない。それは直接、かたちになるからだ。しかし、ソフト面(サービス)は別だ。問題が問題として認識しにくいのである。
 素晴らしい、設えの旅館だが、ソフト面で従業員に経営者の考え方がまさしく伝わっていない。
 私たちのものづくりも、まさに反面教師なのでは、と強く反省をした出来事だった。理念を浸透させることの難しさを痛感したのである。
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