長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

生産者から経営者に

 能美市在住の西田さんは『日本一小さな専業農家』を営んでいる。その畑の面積はわずか30アール(3000平方メートル)だ。田んぼで言えば3反程であろうか。
 いずれにしてもとても小さな面積である。こんな小さな畑で一年に50種類以上のハーブや作物を完全無農薬で栽培している。普通に考えればこの面積で作付けをしても採算は取れないだろう。
 しかし、西田さんは普通の野菜でも一般の流通にのせず、ネットで販売したり、自らそれを加工し(例えばキムチなど)付加価値を与えることにより、立派に収益を得ている。
 また、かほく市ではできたものを売り込むのではなく、レストラン等の消費者を回り、どんな野菜が必要か、情報を収集し必要とされている野菜を受注生産で作っている方もいると聞く。
 これまでの農業従事者はどちらかと言えば生産者であって、経営者とは言えなかったのではないだろうか。実は今日、私が所属する金沢ロータリークラブの例会にお越しになられた、いしかわ農業人材機構の葛城正浩氏の宅話でお聞きしたお話がとても心に残った。
 以前にも記したが、石川県の食料自給率はお米に関しては166%と高い水準を維持しているが、そのほかの自給率はわずかに13%である。これからの日本を支えていく、ひとつの産業は間違いなく農業であると私は思う。そのかたちはこれまでの様なスタイルではなく、生産者が経営者として農業を捕らえ、収益性を上げ、自らが豊かになる仕組みを整える必要がある。
 地球の環境がこれまで通りに推移するとは到底思えない。これまでの様に天候や環境に左右される農業から脱皮できれば、食の原材料を作る農業は花形産業になり得るのではないだろうか。
 食は人間の源であり、私たちは食べるということ無しには生きていくことができないのだから・・
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