長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

箸よく盤水を回す

 もう6年前になるだろうか。ひとりの男性が弊社にやって来られた。その時出された名刺には『盤水社』と書かれていた。これが『盤水社』の中山さんとの初めての出会いだった。
 彼はその時、さくらノートの構想を話し始めた。
 『今、働かない若者の数は62万人にもなり、若者は働くということに意義が見出せないでいるのではないだろうか。今の学校教育には働くという視点がない。だから、地域で働いている大人から、働く楽しさや、その意義をメッセージとして子供達に伝えられるノートをつくりたい。』
 これが『さくらノート』に懸けた彼の夢であった。現在ではさくらノートは石川県版、富山県版をはじめ、横浜・川崎を発行するまでに至っている。そして多くの中学校に配布され、子供たちの職業観を醸成するのに一役買っている。
 『箸よく盤水を回す』とは、大きな盤(たらい)の水は箸一本で回そうとしても最初は全く回らないが、回し続けると周りの水が少しずつ回りはじめ、やがて流れになり、それが最後は渦になる様を言う。
 小さな力でも継続すれば大きな力となる事を示しているのである。さくらノートのスタートはとても小さなものだったに違いない。中山さんは『盤水社』の名前のごとく小さな努力を継続し、今それが大きな渦になろうとしている。
 私たちの企業改革もなかなか思ったように進まないが『箸よく盤水を回す』のごとく継続する事で必ずそれが流れとなり、大きな渦となる事を信じている。
 盤(たらい)に一滴の水を垂らしても目に見えて増えないが、一滴は確実に増えているに間違いはないのである。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ