長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

どうつくるか、ではなくどう使うかの視点

 今日は入魂式に出席する為に朝7時に金沢を出発し輪島市に向かった。金沢は生憎の雨模様で能登へ向けて走るほど雨足が強くなる。会場には思いのほか早く到着してしまった。金沢輪島間は今では二時間もかからない本当に便利になったものだ。
 さて会場に到着すると分団の皆さんが今回消防車両と一緒に納入させて頂いた小型動力ポンプを囲んで何やら話し込んでいるのでどうしたのかと尋ねると、小型ポンプを消防車両から降ろすのにとても苦労すると仰るのだ。
 何故なのだろうと話を聞くと、小型動力ポンプを運ぶ時のハンドルが一方向にしか開かないので車体にぶつかって取っ手を開く事ができないのだという。

 確かに昔の小型動力ポンプのハンドルは90度に回転したのでどちらの方向にもハンドルを開く事ができた。しかし、コストダウンのためか現在のものはそれが出来ないのだ。
 机上だけの設計では現場で役立つものにならない事を実感した。また、私達がメーカーとして工夫し、私たちの努力で解決できなかったのかを考えれば多分出来たはずだ。
 では、何故そこにそれを解決できなかったのだろうか。そこに妥協はなかったのだろうか。現場の消防団員が火災に命をかけて活動している事に思いを馳せれば出来た事ではなかろうか。
 多分、弊社の相談役ならば絶対によしとしなかったはずだ。幾ら技術が向上しても、それを生かす理念が継承されていなければお客様にご満足頂ける消防車をつくる事はできないのだ。今一度ナガノイズムを基本に行動して欲しい。
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