長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

ポンプ車操法に強い車をつくるには・・その2

 昨日は、消防ポンプ車操法に強い車をつくるには、その1をブログに記した。今日はポンプ装置についてお話ししたいと思う。
 ポンプ車操法の場合は吸水管一本で2線放水を行う事が一つのポイントである。したがって、ポンプ装置の絶対放水量よりもサクション側(吸水側)の吸水抵抗をいかに小さくするかに気をつけてデザインしなければならない。
 1.75mm吸水管の限界吸水量:自然水利を使用するポンプ車操法では、吸水時に発生する負圧により吸水管の内径は縮んで小さくなってしまう。これが、大きな吸水抵抗となり吸水量を減少させてしまう。
 2.吸水導管の太さと曲がり:吸水管から押し上げられた水は吸水導管を経て、ポンプ装置に供給されるが、吸水導管が1回曲がるだけで約30リットル近くの水量が減じてしまう事はあまり知られていない。また、吸水導管の太さは吸水導管内流速に影響を及ぼす。すなわち流速が速くなればなるほど、吸水抵抗は大きくなるため、同じ水量を吸水するとすれば、細いものよりも太いものが管内流速を抑える事ができる。長野ポンプでは直径4インチ以上(100mm以上)を使用している。
 3.放水口に溜まる圧縮空気の処理:水利がポンプユニットとほぼ同じ高さのポンプ車操法では、真空ポンプにより真空度が上昇しきらないうちにサイフォン現象でポンプユニット内に水が流れ込んでしまう。また、自動放口閉止弁によりデリバリーパイプ(放水導管)内の空気は排除されないため、放水口付近にデリバリーパイプの容積以上の圧縮空気が溜まってしまう。
 これが送水時に送水抵抗となり、送水スピードの低下を招くのである。長野ポンプでは、放水口に溜まる圧縮空気を強制的に排除するNRVS装置を標準で装備し、送水効率の向上を図っている。
 今回はポンプユニットについて記した。参考になれば幸いである。
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