長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

理論と実践

 私はポンプ車操法の規律に関しては良く分からないが、送水の理論は理解しているつもりだ。昨日の操法訓練の中でひとつ思いあたることがあったので、機関指導員をされている方にお電話申し上げた。
 その方は、たまたま私が以前お世話になった『辰巳こんころ太鼓』の先生だったので快くお話を聞いてくださった。
 昨日の訓練では放水時に一番員が振られ、なかなかうまく行かないようだった。良く見ていると送水時のエンジン回転数がかなり高い。後で聞いてみるとタコメーターで2400〜2500rpmで送水していたようだ。
 通常、ポンプ車操法の体系では水利の高さとポンプの高さがほとんど同じである。したがって、吸水時の落差が小さいのでキャビテーション限界はポンプ回転数で約2000rpm前後だ。エンジン回転数では1800〜1900rpm程度なので2400rpmでは回転数が高すぎる。
 今日は訓練所で実際に常備消防の車両でキャビテーション限界を探りその回転数で送水した場合のデーターを取ってみた。
 やはり、キャビテーション限界付近で送水した場合は非常にスピーディーに送水することが可能だった。そして、余裕ホース手前で2.5気圧前後に減圧してやれば、一番員もほとんど振られなくなった。
 物事には原理原則があるものだ。それを知っている人は何がおかしいのか、どれだけ原則からずれているのかが分かるので、対処の仕方を知ることが出来る。
 しかし、何がおかしいのかが分からなければ、対処の方法すら分からない。現象には必ず原因がある。理論だけで実践がともなわなければ無力であり、実践だけで理論がともなわないとこれまた無力なのである。
にほんブログ村 経営ブログ オーナー社長へ 人気ブログランキングへ