長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

セミモノコック構造


 2013年に開発をスタートした、GFRP(Glass fiber reinforced plastics)を構造体とした消防車両は2015年にプロトタイプを完成させた。
 そこから約一年をかけ量産化に向けて構造、デザイン、機能などをブラッシュアップし、2017年に第一号、第二号車両を市場に投入することが出来た。
 ボディ構造は単純に鉄骨と鉄板生のボディをGFRPに置き換えただけではない。これまでの経験はマテリアルが変わったことで全く通用しなくなった。
 そこで、フレームをFEMによって構造解析し、外力が加わったときにどこにどの様に応力が発生するかを求めた。しかし、この新しい構造にも一定の法則があり、それを確立することが次のステップだ。
 現在、弊社の技術部門もここに苦戦している様だ。
 今から30年以上も前に学んだ、自動車工学の教科書を引っ張り出し、材料力学の本を片手に構造の法則を導き出すために、四捨五入すれば60歳の頭をひねったのである。
 モノコック構造は、卵の殻のように外板でその強度を担保するもので航空機がその発祥だ。
 しかし、実際のモノコック構造では大きな外力に対して強度が不足するため、大きな力を受け持つための縦方向に貫通するメインフレーム(ストリンガ)を配置し、それぞれの応力を受け持つための環状フレーム構造との複合構造を持つ、セミモノコックフレームが現在の主力となっている。
 今回の開発したサンドイッチ構造パネルを組み合わせて製造する方法では一見すると住宅のツーバーフォーの様な壁式構造の様にも見えるが、メインフレームを配していることや、最後にクローズする構造の環状フレームを用いていることからセミモノコック構造であるといえる。
 このお盆休みの間に基本構造を予測し、お盆があけたらFEM解析でその構造の根拠を求めたい。私の仕事では無いのかもしれないが、久しぶりに技術的なことに頭を使うのも良いのかもしれない。
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