山岳事故に思う

　２７日、栃木県那須町のスキー場で発生した雪崩は春山登山講習会に参加していた高校生らを直撃した。
　この時期ではめずらしく、一日で３０ｃｍ以上の積雪があったようだ。また、当日は雪崩注意報が発令されるなど良い環境では無かった。
　若くして、今回犠牲になられた皆さんに心から哀悼の意を表したいと思う。
　雪山を愛する者の一人として、今回の事故は他人ごとではない。特に、春めいてくるこの時期は気温が上昇し、雪が緩む。さらに言うなら解けて固まった雪の上に新雪が積もるとその境界面が滑り、表層雪崩が発生しやすくなる。
　雪崩の発生しやすい場所は避けることは当然のことだが、行動時間も気温が下がる深夜半に行動を始めるなど、様々な注意が必要になる。
　自然は、私たちの予測をはるかに超えて牙をむく事も少なくない。私たちは、自然に対峙するのではなく、自然の中の一部として、謙虚な行動を心掛ける必要があると思うのである。
　合掌

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