長野幸浩の日記『We Believe』

思いついたことを気楽に

劔岳東面点の記のルート


 明治42年、日本陸軍参謀本部陸地測量部が日本地図を完成させるため、未登頂とされた北アルプス剱岳の登頂と測量に取り組んだ。
 その際、案内人の宇治長次郎が彼らを導いたのが点の記のルート(長次郎谷)である。それは、源次郎尾根と八ッ峰の挟まれた巨大な谷である。その雄大な景色は筆舌に尽くしがたい。
 長次郎の出合いから熊野岩を目指して登ると、それを過ぎたあたりから斜度が一気に増す。十分に注意しながら長次郎のコルを目指す。
 長次郎のコルから劔岳本峰へ登り返す岩稜帯は岩と雪がミックスしており、その間には大きなシュルンドが潜んでいる。踏み抜けば一巻の終わりだ。
 なるべく雪にストレスを与えない様に注意して登ると劔岳本峰だ。山頂には人っ子ひとりいない。夏の喧噪を思えば何と静かなのだろう。
 山頂は風の音だけだ。下界では猛暑かを迎えるが劔岳山頂はまだまだ冬の装いだ。
 別山尾根は、ミックスしているので平蔵谷を下降する。そこから劔沢雪渓を登り返せば、劔沢小屋だ。今年も劔岳は私たちを迎え入れてくれた。
 劔岳は偉大なのである。
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